阪神近本光司外野手(28)が、走攻守3拍子の大活躍で快勝に一役買った。

打っては初回第1打席で今永から安打を放ち、走っては2戦連続盗塁もマーク。さらに貴重な追加点を呼ぶタイムリーを放ったのは2回だ。青柳が逆転適時打を放ってなお2死二塁。フルカウントから打ち損ねた打球は左翼へ高々と舞い上がった。だが、薄暮でボールが見えにくい時間帯。左翼関根が打球を見失い、白球がポトリと落ちた。二塁走者青柳が生還し、近本も二塁を陥れた。「僕にもあり得たこと。ただただ、神様ありがとうだけです。それ以上でも以下でもないです」。リードを3点に広げ、笑顔で感謝した。

守っても直後3回、桑原の安打性の打球にダイビングキャッチ。お立ち台では「本当に難しい打球。ヤギ(青柳)さんの時、右バッターは結構ああいう打球がくる。そういうのをイメージしながら、(点を)取った後だったので」と説明。プロの嗅覚と技でエースの復活勝利をアシストした。

左前打、二塁打を放って迎えた4回の第3打席では今永の131キロ変化球を右中間に運び、リーグトップの6本目の三塁打。9試合ぶり4度目の猛打賞を決めた。サイクル安打に“リーチ”のかかった第4、第5打席では、ホームランコールも響いた甲子園。いずれも凡打に終わったが「ホームランコールなんてそんなにないんで。しっかり聞いてました」と笑顔で振り返った。打率は2割9分8厘まで上げ、3割目前。虎のリードオフマンは、エンジン全開だ。【波部俊之介】

▼阪神近本が4回に三塁打を放ち、三塁打は6本目。三塁打のシーズン最多記録は、1951年(昭26)金田正泰(阪神)の18だが、近本は現在のペースでいくとシーズン26本で、最多記録更新する。