自称「12球団で一番暑いのに弱い」という北海道・鹿部町出身の“道産子”日本ハム伊藤大海投手(25)が歴史的勝利を挙げた。

夜も28度前後の蒸し暑さだった那覇で7回1失点9奪三振と好投。「暑かったですけど…早くベンチに帰りたい気持ちでストライク先行でいけた(笑い)」。3、4回は狙って併殺打に打ち取るなど「久しぶりに“ピッチング”ができた」と内容にも納得だ。暑さ対策で半袖のアンダーシャツ着用も検討したが、「そこは、こだわりで」長袖を着て得た今季4勝目は、沖縄開催のNPB公式戦で北海道出身投手としての初勝利。「なんでも“初”はうれしい」と笑顔を見せた。

暑さは苦にしても、地方球場は苦にしない。「あいべつ球場が成長させてくれました」。苫小牧駒大時代に戦った北海道6大学リーグで使用した、旭川から車で約45分の愛別町にある球場は「左足が(すねぐらいまで)埋まる」。冗談交じりに笑いながら振り返った経験が、大舞台でも力を発揮できるタフさの源だ。

沖縄出身の“うちなー”として史上初の凱旋(がいせん)勝利を目指した西武平良に投げ勝ち、チームの連敗を2で止めた伊藤は「明日(28日)は、ぜひ上原さんが勝ってもらって」と沖縄出身の先輩左腕に“初”のバトンを渡した。【木下大輔】