広島が10連勝で4月17日以来の首位浮上だ。先発の床田寛樹投手(28)が8回途中まで犠飛による1失点と好投。テンポのいい投球で快調に飛ばし、左人さし指がつった6回以降も粘った。リーグトップタイ9勝と防御率1・85でリーグ2冠の左腕を中心に、この連勝期間中の防御率1・36を誇る先発陣が立役者となっている。
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6回から左人さし指がつりながらも、床田は1失点でしのいだ。同点に追い付かれ、なお2死一塁で4番村上を直球で空振り三振。7回を3者凡退に切って、攻撃にリズムを与えた。「最後の最後で動かなくなっちゃった。行けると思ったけど、ストライクが入らなくなったので、情けない」。8回途中に限界に達して降板も、チームを10連勝に導き、首位に押し上げた。
昨季の後半戦初登板は悪夢を見た。8月3日DeNA戦で5回の走塁時に転倒。「右足関節(そくかんせつ)骨折」で離脱した。今年は前半戦最後の登板から中9日で登板。人さし指がつるアクシデントはあったものの、次回に影響はない。「助けてもらって勝てた。何とか次はイニングを投げきれるように頑張りたい」と先を見据えた。
昨季まで1年を通して安定したシーズンを送れていない。夏場が鬼門だった。秋口から調子を上げることから、コーチに「スズムシ」と呼ばれることも。「今、首位に立っても、僕は別に何も変わりません」。最後に頂点に立つため、正念場の夏場にチームの力となることしか考えていない。
心強い援軍がそばにいる。球宴休暇のタイミングで出産のため実家に帰省していた夫人と、生まれたばかりの愛娘が帰ってきた。抱っこにおむつ替えと「癒やされています」と表情が緩む。車もファミリーカーに買い替えた。この日は夏の大阪大会で初めて4強入りした母校・箕面学園の躍進に刺激ももらった。
10連勝中、先発防御率は1・36と、好調なチームを支えている。新井監督も「先発がしっかりと試合を作ってくれる。僅差の試合がこれだけ多く、勝ち切ることができているのは、チーム全員の力だと思う」と称賛を惜しまない。首位浮上も、新井広島はまだまだ立ち止まらない。【前原淳】
▼広島が10連勝で4月17日以来の首位に立った。広島の2桁連勝は19年の11連勝以来8度目になる。6月5日時点では首位阪神から9ゲーム差の3位。広島が9ゲーム差以上を逆転して首位に立つのは83年以来2度目。プロ野球全体では21度目だが、新井監督は1年目で、新人監督が9ゲーム差逆転首位はプロ野球史上初めてだ。83年広島は5月11日時点の10ゲーム差をひっくり返して7月12日に首位へ立つも、最終的には2位。今季は大差逆転首位を優勝へつなげられるか。



