首位阪神が延長12回、今季7度目のサヨナラ勝ちを収め、連勝を今季最長タイの「9」に伸ばした。シーズン2度の9連勝は、直近では19年の広島以来。球団では37年秋の14連勝、9連勝の2度以来、86年ぶり2度目だ。2リーグ制後では初となった。

 

延長12回、先頭中野が左中間への二塁打で出塁。続く森下が四球を選び、大山が右前打でつないで無死満塁のビッグチャンスをつくった。そして佐藤輝が2ボールから田口の3球目をたたき、打球は右中間へ。中堅塩見が捕球し、三塁走者が悠々と本塁へ。若き主砲の中犠飛で最後を締めくくった。佐藤輝のサヨナラ打はプロ3年目で初めて。

夏の長期ロード9連勝は藤本定義監督時代の1968年(昭43)を超える球団記録となった。2位広島が敗れたため、2位とのゲーム差を今季最大の7に広げた。今季最多を更新する貯金「23」は、08年最終戦の10月12日以来、15年ぶり。今季最長の6カード連続勝ち越しも決めた。

初回に2点を先制したものの、先発青柳晃洋投手(29)が逆転を許し、5回3失点で降板。1点ビハインドの6回、坂本誠志郎捕手(29)がスクイズ成功(記録は犠打野選)。試合を振り出しに戻し、中継ぎ陣も耐え、サヨナラ劇につなげた。

「8月12日」は特別な1日だ。球団社長の中埜肇氏が搭乗していたJAL123便、ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落したのが38年前の8月12日。球団初の日本一になった1985年(昭60)のことだ。

この年、選手会長を務めていたのが、岡田監督だ。時を経て、2度目の阪神監督に就任した今季、優勝争いの先頭を走っている。18年ぶりのリーグ優勝、そして85年以来の日本一へ。かつての球団社長にささげる白星にもなったはずだ。

優勝へのマジックナンバーは最短で15日に点灯する。

▼阪神が延長12回サヨナラ勝ちで今季2度目の9連勝。夏の長期ロード期間では藤本定義監督時代の1968年(昭43)年の8連勝を抜き球団最長となった。シーズン2度の9連勝は19年の広島(11連勝と9連勝)以来だが、阪神では37年秋に14連勝(9月8日~10月4日)と9連勝(10月20日~11月2日)以来、86年ぶり2度目。2リーグ制後は初めてだ。37年は春にも9連勝(6月11日~23日)を記録しており、年間3度の9連勝があった。

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