全日本大学野球選手権出場の東日本国際大(福島)が、山形大に9-0で7回コールド勝ちした。黒田義信外野手(1年=九州国際大付)が「1番右翼」で出場し、2打席連続本塁打を含む3安打4打点と躍動した。7季ぶり優勝を狙う東北公益文科大(山形)は、福島大に8-1で7回コールド勝ちした。

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実績十分の1年生が、両翼100メートルのグラウンドで2度も放物線を描いた。1点リードの4回2死一、三塁、黒田が高め直球を強振。乾いた音が響いた打球は、右翼芝生席通路に飛び込む3点本塁打となった。悠々とダイヤモンドを1周すると、白い歯を見せてベンチに引き揚げた。藤木豊監督(58)からは「(ボールを)追いかけにいっているから、後ろの足でためて振りにいく」ことを助言され、しっかり結果で応えた。

8点リードの6回無死は、逆方向の打撃を発揮した。「ホームランを打った次の打席は重要になる」と意気込んだ第4打席。外角直球を左翼芝生席に放り込み、コールド勝ちへと点差を広げた。九州国際大付(福岡)では3年の春夏に甲子園出場を果たし、高校日本代表でU18W杯を経験した逸材。「練習試合は1試合4本あるんですけど」と話した上で、「公式戦は1本出ればせいぜいという感じだったので、2本は初めて」と喜んだ。

同大入学後から即戦力で、6月は全国舞台に挑んだものの、2回戦の仙台大(仙台6大学)戦は5打数無安打で初戦敗退。これまでは引っ張る打撃を苦にしたが、大会後に藤木監督の指導を受けて修正を加えた。今秋は4年生と戦う最後のリーグ戦。「4年生がいて1年生の自分が出ている責任がある」と気合を入れる。指揮官が「広角に長打を打てる。足は速いし肩も強いし、すごい選手」と期待を寄せる1年生が、5季連続優勝を狙うチームで輝きを放つ。【相沢孔志】