亜大は、負けると最下位が決まるという大一番で、国学院大に勝利。2勝1敗で勝ち点を挙げた。1試合目の東洋大が中大に破れ、5勝7敗の勝ち点2で今季を終了した。亜大は6勝7敗の勝ち点2で、国学院大と同率で4位タイ。勝率で東洋大を上回り、最下位を回避した。勝利が決まった瞬間、選手たちは抱き合って涙を流した。

4年生が奮起した。初回、天井一輝外野手(4年=広島商)が先制の右越えソロ本塁打を放ち、打線に火をつけた。3回には、無死2塁から笠松拓真外野手(3年=神戸国際大付)が左越えに2ラン本塁打。8回に1点、9回には2死二、三塁から代打・和久本澪外野手(4年=常総学院)の中前適時打で2点を加え、国学院大を突き放した。天井は「これまで野手が得点できなくて負けた試合が多くて。何とか先制を取りたかった。2アウトからでも何とか出塁しようと思った結果が最高の結果になりました」と、笑顔を見せた。

投げては、ドラフト上位候補に挙がる最速153キロ右腕・草加勝投手(4年=創志学園)が先発し、カーブとスライダーでカウントを整え、キレのある真っすぐで打たせて取るなど、99球の「マダックス」で5安打完封。今季5勝目で大学通算13勝目を挙げ、大学最後の登板を終えた。

今秋は3週が終わり、勝ち点0と苦しい展開だった。草加は「18番をつけている以上、下手な投球はできない。リーグ戦の前半は自分が先に失点してチームに迷惑をかけていた。最後くらいはチームに貢献したいと腕を振りました」と振り返った。

常にエースとしての心構えを胸に刻み、マウンドに上がった。「生田前監督から、僕が入学した頃から『エースは1戦目と3戦目で完投するのが仕事』と言われてきた」。チーム13試合中8試合に登板し5勝3敗。チームのために腕を振り、1部残留を決めた。「自分の投球というよりも、チーム全員でつかんだ勝ち点。そこは素直にうれしい」。来週はドラフトを控える。「これで安心して迎えられます」。チームを背負うプレッシャーから解放され、ようやく笑顔をのぞかせた。

最下位の東洋大は、すでに2部で優勝が決まった駒大と11月11日から、1部2部入れ替え戦を行う。