楽天松井裕樹投手(28)が8日、メジャー移籍を目指し今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使したことを正式表明した。カージナルスやカブスなどが獲得に動くとみられる。FA申請書類は6日に提出済みだが、この日、仙台市内の球団事務所で取材対応。「まだまだ自分を成長させてくれる舞台があると思い、年齢含め、このタイミングが一番いいのかなと。高いレベルにトライしたいと決断しました」。今季が4年契約の最終年だった。

13年ドラフト1位で入団し10年目。先発からプロキャリアが始まったが、通算236セーブ、3度のセーブ王に輝くなど抑えの地位を確立した。「先発でうまくいかないところからスタートし、今、こうして中継ぎで海外にトライするのは、入団した頃は思い描いてなかった。何が起こるか分からない」と振り返った。

入団当初からメジャーに憧れていたわけではなかった。ヤンキース在籍時の7年で78勝した田中将との合同自主トレが、松井裕の意識を変えた。「トップのリーグでやってる選手と毎年1カ月を共にして、少しでも近づきたいというか、そのレベルに行きたい」と刺激を受け、自然とメジャーで活躍する未来を描くようになった。

慣れ親しんだ抑えへのこだわりはない。「まずはいいところで使ってもらえるように」。与えられた場所で結果を残す。「岩隈さん、田中(将)さんとメジャーを代表する投手になった先輩と同じチームということで恥のないように、イーグルスを背負って頑張りたい」。杜(もり)の都で成長した絶対的守護神が、最高峰に挑む。【山田愛斗】

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