これじゃあ、寂しい…。ソフトバンク小久保裕紀監督(52)が宮崎キャンプ第3クール3日目の12日、B組(2軍)のアピール不足を嘆いた。キャンプ中盤にしてA組とB組の入れ替えがない状況にあきれ顔。倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)は宿舎ミーティングでハッパをかけると決断。若鷹の尻をたたき、チーム全体での底上げを図る。

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小久保監督が嘆いた。「あんまり下(B組)からいい報告が上がってこないので寂しいところです」。A組とB組は同じ生目の杜運動公園でキャンプ中。AのアイビースタジアムとBの第2球場は隣り合わせだ。「隣でやってて『こいつはどうしても見てほしい』みたいなのが全然こない」。松山2軍監督とは積極的にコミュニケーションを取っているが、A組とB組の入れ替えが1度も起こっていない状況に首をかしげた。

現状はプロ2年目の吉田が今クールからA組に「参加」しただけ。この日のシート打撃でもB組から参加したのは尾形の代役で登板した渡辺佑だけだった。キャンプは第3クール3日目。いまだ隣り合わせキャンプの利点を生かしきれていない。小久保監督は「上は上でぶっちぎって安泰の地位を築くのが大事でしょうけど、下は下で入ってこないといけない。同じことをやっとったら勝てないですよ」とB組ナインに苦言を呈した。

嘆くのは指揮官だけではない。倉野1軍投手コーチも「全員とは言わないですけど」と前置きし「僕もすごく感じる。せっかくAとBで一緒の施設でやっていて、正直訴えられるものがない。寂しい部分が結構あります」と厳しい表情だ。同コーチが力説したのは結果ではなく、練習に取り組む姿勢の部分。「この絶好の機会を逃したくない、みたいなね。そこを本当に分かってるのかな、と。そんなに甘くない。どんどんAとBの差は開いていく」。宿舎ミーティングでB組投手陣に緊急ゲキを飛ばすことを決断。「このままでは上にいけない。僕はピッチャーの管轄なので、ピッチャーには話します」と語気を強めた。

今オフはベテラン和田や育成出身の牧原大などが、主に育成選手に「考えが甘い」などと苦言を呈していた。倉野コーチは「その通りですよ。そんなのコーチが一番感じてます。どうやって(覚悟を)引き出してあげられるのかなってずっと考えてます」と思考を巡らせている。若手の突き上げなしに常勝軍団復活はない。小久保監督は「なかなか寂しい部分がありますね」と締めて報道陣の囲み取材を終えた。【只松憲】