プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏(56)の長男で、慶大野球部3年の清原正吾外野手(21)が19日、日刊スポーツの独占取材に応じ、野球や家族への思いを語った。東京6大学野球リーグの慶大は、この日、3日間の中津市合宿(大分・ダイハツ九州スタジアム)を終了。前日18日には、今年初の紅白戦に「4番ファースト」で先発出場した。激しい4番争いの中、父の背中を追う正吾の大学ラストイヤーが動き出した。

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慶大創立者、福沢諭吉生誕の地で今年最初の合宿を終えた正吾は、確かな自信を手にしていた。チームはソフトバンク3位の広瀬をはじめ、主軸を打った選手が卒業。強打者不在となり、熾烈(しれつ)を極める4番争いの中で、正吾は「ライバルは意識していない。自分のレベルアップにだけフォーカスして力を磨くだけ」と、自分自身と向き合っている。カブス鈴木のフォームを参考に、スタンスを狭め体が突っ込むクセを修正。「体も回りやすくなった」と、手応えをつかんだ。

大学ラストイヤーは、父の背中を追う野球人生を象徴するスタートになった。今季初の実戦となった18日の紅白戦に「4番ファースト」でスタメン出場。テーマは「真っすぐに対応しながら変化球にもうまく対応する」こと。5打席目で直球を今年初安打。6打席目にはカットボールを捉えて左前適時打とするなど「悪くない結果だと思います」と、成果を口にしていた。

家族のおかげで、野球への覚悟が決まった。「一番は家族のため。僕の大好きな家族。隠すつもりはないです。一時期は『清原』という名前が嫌になった時もありましたが、今は本当にこの名字でよかったと思います」。20年のコロナ禍に、父、弟と3人で野球の練習をした。改めて野球の存在を見直し、慶大野球部入部を決めた。「家族4人で。新しい家族の形として。僕ももう1度、頑張ってスタートしたいと思った。そこに嫌だという思いはないです」。両親の離婚で家族の形は変わったが、きずなは変わっていない。

4人で食事をすると、いつも話題は野球だった。父も母も楽しそうに「頑張って」と、言ってくれる。自分が野球をすることで、みんなが笑顔になる。それが、うれしかった。「うちの家族は野球がなければ家族じゃないので。野球をもう1度好きになれたのも家族のおかげ」。野球が家族を結びつけた。清原家に、なくてはならないもの。長男として、自分がやるべきことが見えた瞬間だった。

昨年は外野に転向したが、今年に入り再び一塁に挑戦中。「バットもグローブも、父親の形のものを使っている。ファーストは一番落ち着くポジションです」とうなずく。4番に対しても「父親の背中を見て、4番を見ているので。すごいなーって思います。打順のこだわりはないですが、もし4番を打たせてもらうことがあれば、いい1本を打ちたいです」と希望は膨らむ。

年頭にはプロ志望も宣言した。「両親が一番応援してくれるので。結果で恩返ししたいと思います」。最後に「野球を選んでよかった。後悔はないです」。そう言って、笑った。【保坂淑子】

 慶大の堀井哲也監督(62)は、清原についてレギュラー争いの中心として期待した。「成長、経験を視野に入れ、開幕戦までしっかり競争して欲しいと思っている。長距離砲が抜けた今年、清原は精神的に成長したのが大きい。チャンスはある」と明言。ソフトバンク入りした広瀬らの穴を埋めるべく、水鳥遥貴外野手(3年=慶応)、本間颯太朗(3年=慶応)らとともにクリーンアップを狙う。チームはこの後、鹿児島、大阪、愛知と場所を移し3月22日まで合宿を行う。

◆清原正吾(きよはら・しょうご)2002年(平14)8月23日生まれ。東京都出身。小3からオール麻布で野球を始める。中学はバレーボール、慶応高ではアメフト。21年に慶大商学部に入学し、野球部に入り再びプレーを始めた。尊敬する人は両親。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。