日本ハム田宮裕涼捕手(23)が球団初の道産子開幕投手を務めた伊藤大海投手(26)を好リードし、チームに5年ぶりの開幕白星をもたらした。バットでも3回に決勝打となる先制打を放つなど2安打1打点1盗塁。攻守で先輩右腕を力強く援護した。6年目で初めて開幕1軍入りし、開幕マスクでも堂々とプレーした待望の正捕手候補が、故郷千葉で大ブレークを予感させる好スタートを切った。

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勝利の瞬間、とびっきりの“ゆあスマイル”が輝いた。田宮は「大海さんの開幕投手を勝利で飾れて良かったなって一安心しています」。最終回は1点を奪われたが、最後までマスクをかぶってリードを守りきった。

球団が本拠地を置く北海道出身の投手として、チームで初めて開幕投手を務めた伊藤を攻守で支えた。「今日は大海さんを勝たせることばっか考えていた」。綿密なコミュニケーションを経て臨んだ大一番は6回までバッテリーを組んで、快投を引き出した。

打撃でも3回無死一、三塁で先制適時打。「チャンスで回ってきたんで、なんとか1点っていう気持ちで打ちました」。その後は犠打も二盗も決めた。「打って走るのが、僕はやりたいこと。全部やっている捕手はなかなかいないので、そういう捕手になっていきたい」と言葉に力を込めた。

緊張感も、なかった。小学生時代はロッテジュニアに選出されたこともある。「逆に試合前のセレモニーとか、ちょっとロッテファンの気分で見ちゃいました」と余裕もあったという。6回に伊藤が投げた超スローカーブは「普通にカーブのサインを出したら、大海さんが急に、すごいスローカーブを投げて(笑い)」と驚いたが、冷静にキャッチング。そんな遊び心まで引き出された伊藤からは「すごく、どっしりしていた。自信を持ってサインを出してくれたので信じて投げ込むだけだった」と感謝された。田宮も「うまくリードできて良かった」。昨季最終盤に訪れた一瞬のチャンスをつかんだ正捕手候補が、最高の形で飛躍の1年をスタートさせた。【木下大輔】

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