ソフトバンクのドラフト1位左腕、前田悠伍投手(18)が堂々たる本拠地デビューを飾った。みずほペイペイドームで行われたウエスタン・リーグの中日戦に先発し、6回77球を投げて3安打無失点。最速143キロの直球を軸に無四球と制球力の高さも見せつけた。同リーグは4試合に登板し、防御率は驚異の0・57だ。今季中の1軍デビューに向けて、未来のエース候補が順調に歩みを進めている。

   ◇   ◇   ◇

鋭い目つきでマウンドに立ちながら、前田悠は楽しんでいた。「ワクワクした気持ちで投げられました」。1軍本拠地のみずほペイペイドーム。初回先頭のロドリゲスを空振り三振に仕留め、特別な場所での登板がスタートした。「マウンドに立った時、やはり何か違う雰囲気を感じながら投げました」。18歳のドラフト1位が大きな1歩を踏み出した。

「1~6回まで楽しかったです」。直球の最速は143キロを計測し「バッターの反応を見て、ストレートで押せている印象があった。真っすぐに関しては本当に良かったと思います」と自信を深めた。変化球に関しても4回、1軍経験豊富な高橋周をスライダーで見逃し三振に奪った。それでも「今日の段階では良かったんですけど、これから1軍っていうところを考えたらまだまだです」と志は高い。小久保監督はすでに今季中に1軍デビューする可能性を示唆しているが、前田悠もその心づもり。力強く前進した。

6回77球を投げ、3安打無失点に無四球とほぼ完璧な内容で終えた。初めての1軍本拠地で快投し「初めて甲子園や神宮に行った時と同じような気持ちになりました」と大阪桐蔭時代を思い返した。「1日でも早くここでやりたい思いです」と目標を再確認した。

ウエスタン・リーグは4試合に登板し、計15回2/3を3失点(自責1)で防御率0・57。高卒1年目とは思えない成績を残している。松山秀明2軍監督(57)は「投げるたびに彼の良さが出てきている」と称賛しながら、あえて注文をつけた。「今日も1つ、ベースカバーが遅れた。これはピッチャーとして絶対にやらなければいけないこと。そこはしっかりとね」。

全ては未来のエース候補としての期待の裏返し。1軍本拠地での登板も、いつか来る1軍デビューに備えての起用だった。前田悠は「ピッチング以外も完璧にできるように」と引き締めた。タカの「金の卵」の成長が著しい。【只松憲】

◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県長浜市出身。小学6年時にはオリックスジュニアに選出された。高月中では湖北ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年秋の神宮大会では大会初の連覇に貢献。甲子園は春夏通算3度出場し、22年春に優勝、22年夏に8強、23年春に4強。同年ドラフト1位で入団。今季推定年俸は1000万円。背番号「41」。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。

<今季の前田悠>

◆B組 春季キャンプは宮崎で行うB組(2軍)スタート。福岡・筑後市のC組(3軍)でじっくり育成も考えられたが、小久保監督が「ドラフト1位(だから)」と特別待遇を許した。

◆絶賛 春季キャンプ中の2月15日にプロ初のブルペン投球。力感のないフォームで一定のリリースから力強い直球を20球投げ、小久保監督から「率直にモノが違う。『どこをいじるの?』と思いました」と大絶賛された。

◆失策 4月20日の2軍広島戦で実戦デビューし、雨中のマウンドで1回2安打2失点。自身の2度の悪送球などが失点につながり「日々の練習から意識高くやっていきたい」とほろ苦いプロ初登板となった。

◆初星 5月30日の3軍戦で“プロ初勝利”。九州アジアL・宮崎戦に先発し、5回4安打1失点にまとめた。

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧