“甘さ”を断ち切ったエースが節目の勝利をつかんだ。巨人の戸郷翔征投手(24)がヤクルト戦で7回途中を7安打3失点にまとめ、今季7勝目でプロ通算50勝に到達。高卒6年目の今季は開幕投手を任され、エースへの階段を順調に上ってきた。“大好物”を我慢している右腕が熱帯夜の神宮で堂々たる投球をみせ、チームに連勝をもたらした。
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エースの立場を築きつつ、駆け出しの頃と変わらぬ姿がある。戸郷はジャイアンツ球場でファンの列がなくなるまでサインや写真撮影を続ける。「僕らにとっては、いつものことかもしれないけど、来てくれる人はそうじゃないかもしれないでしょ」と言う。
宮崎・都城市で育った。普段はプロ野球を生で見に行くことはなかなか難しい土地だが、2月は様変わりする。巨人やソフトバンクの春季キャンプを巡った。テレビの世界のヒーローだったプロ野球選手と生で接し、目を輝かせた。亀井外野守備兼走塁コーチ、杉内投手チーフコーチ、松田宣浩氏らに帽子や色紙にサインをもらったのを今も覚えている。「子供の時にもらったのが、やっぱりうれしかった。その経験があるんです」。貫く行動の原体験だ。【巨人担当=上田悠太】



