どんな状況でも、やるべきことを怠らずにやる。日本ハムの一塁手、アリエル・マルティネス捕手(28)はしっかりと見ていた。
5回2死。凝視したのは、中越えの打球を放った野村大の足。二塁へ向かうために一塁ベースを蹴る瞬間だ。右足で一塁ベースの角ギリギリを攻めていた野村大の右足は、ベースを踏んでいなかった。
最初の記録は二塁打。野村大にとってはソフトバンクからの移籍後初安打。大きく沸く敵地の中で、マルティネスは必死にボール転送を要求した。アピールプレーが成立するには、次のプレーが始まってから投手が次打者へ初球を投げる前に行う必要があるからだ。
その必死さは仲間にも伝わった。球審がプレーを宣告後、捕手伏見が立ち上がった。先発山崎に一塁への転送を指示。ボールを受け取ったマルティネスが一塁ベースを踏むとアウトのジャッジでアピールプレーが成立。西武側のリクエストでリプレー検証も行われたが、判定は覆らない。二塁打だった記録も投ゴロに訂正。ピンチを未然に防ぐ、ファインプレーとなった。
直近11戦で1勝のみという苦境で5位まで転落した日本ハム。この日は、打線が4回までに6安打も1点のみ。うまくつながらなかったが、リフレッシュ抹消明けの先発山崎が7回途中まで1失点と好投。7回のピンチは2番手の池田が無失点に封じた。難しい展開でも、やるべきことをやっていれば勝利への近道となり、上昇気流へ乗るきっかけにもなるはずだ。【木下大輔】



