一塁ベースのど真ん中を強く踏み込んだ。ソフトバンクからトレードで加入した西武野村大樹内野手(23)が、“打ち直し”の移籍後初安打を放った。前日9日の同戦では右中間を破る打球も、一塁ベースを空過したとして、記録は投ゴロでアウトとなっていた。

4回2死一、二塁で、日本ハム金村の外角高め147キロ直球を中前にはじき返した。左足でベースを踏んでオーバーラン。帰塁すると一瞬の間を置き、振り上げた右足をベースへ振り下ろした。「もう1回踏んどこうと思って。ベースを踏むのをかみしめてました」と正真正銘のヒットに気持ちが高ぶった。

決死の覚悟だった。2回1死三塁の第1打席では3球三振。「あそこ(第2打席)で打たないと人生終わるんじゃないか、ぐらいの気持ちでは(打席に)立ちました」とバットを振るまでは必死だった。

“騒動”では、右足の側面で触れた感覚があった。一夜明けてもイジられ続けたが、笑いに変えた。試合前には「家族からも『踏んだんやろ~』って言われて。『踏んでるよ~』って。そしたら『今日がんばれ~』って。今日はしっかり踏みます!」とケロリ。ただ、前日は“触れた程度”だった右足で、がっちりとメモリアルヒットをかみしめた。

ただ、若鷹から若獅子となった23歳は第1打席の三振を悔やんだ。チームは再三の好機を逃し、7回途中を1失点と好投した青山を援護できなかった。「2回(の打席で)自分が打ててれば、もう少し楽な展開で(青山)美夏人も投げられたのかなと思いますし。あそこで僕が(三塁走者を)返すっていうのが僕がライオンズに来た意味だと思う」。自身に求められる役割を感じているからこそ、凡退を悔やんだ。

移籍後3試合で10打数1安打1打点にとどまっているが、徐々に手応えも感じている。第3、4打席は凡退したが、「3打席目も4打席目も芯でしたし。(打球の)角度が上がってるので、打てると思います」とうなずいた。巡ってきたチャンスで、何度もベースを踏んで加速していく。【黒須亮】

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