神様、仏様、原口サマ~♪ 阪神が同点の延長10回、一挙5得点で中日を沈めた。連敗を2で止め同一カード全敗を阻止した。決勝打は代打の切り札、原口文仁内野手(32)。しぶとく左前に運んでチームを救った。打点を挙げれば去年から9連勝。7月は3安打すべてで劇勝に導く“夏男”ぶりだ。連勝が止まった首位巨人とは1・5ゲーム差。今日15日からの直接対決で一気にその座を奪い取る。
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フルカウントから、左腕橋本が内角高めを鋭くえぐってきた。原口は瞬時に脇を締め、かぶせるように思い切りたたいた。打球が左翼前にはずむ。絶叫に近い左翼席の虎党の声を背に、二塁走者の島田が全力でホームを駆け抜けた。
「いい感じで詰まってくれたので落ちるかな、という感触があった。難しい当たりだったけど島田がよく走ってくれました。ナイスラン!」。32歳のヒーローは完璧な打球判断を見せた後輩を立てた。
夏本番の7月に入り、傑出の存在感を見せている。代打で4打数3安打。すべて“劇勝”に導いてきた。7日は右前打に敵失が絡み、逆転サヨナラとなる一打。9日は凡退なら試合終了の場面で左前打を放ち、近本の逆転サヨナラ打につなげた。凡退した唯一の打席は前日13日。9回に守護神マルティネスから右翼ライナーの好内容だった。
打点を挙げれば今年の5試合を含めて、昨年から9連勝。原口が打てば勝つ。打ってほしい場面で出てきて、打つ。「出る場面がそういうところが多くなっていると思う。その中で準備して、いい結果が出ているのは自分自身にもチームにもプラス。続けていきたいですね」。チームを背負う自覚は言うまでもない。
「神主打法」のように体の正面にバットを掲げ、自然体で打つ準備を整える。失敗のできない仕事場。困ったらいつもシンプルな形と思考に行き着く。大きくアプローチを変えることはないが「自分でいろいろと工夫しながら」。“1打席入魂”を続ける。
出番は一瞬。でも、1日の中で誰よりも長い時間、バットを握っているのが原口かもしれない。遠征先のホテルにも相棒を持ち帰る。その姿は肌身離さず刀を携えるサムライのようだ。
「連敗していてすごく大事な試合というのはみんな分かっていた。勝つ、勝たないはすごく大きいので、また東京に行ってみんなでいい試合をしたいです」。今日15日から東京ドームで巨人3連戦。2勝1分け以上で5月26日以来となる首位の可能性もある。頼れる男が勝負の一太刀に備える。【柏原誠】



