打撃用手袋を脱いで、バットを置いた。

巨人菅野智之投手(34)が7回5安打1失点の快投で10勝目に到達。7回の打席で代打を送られ納得の降板後、救援陣に託した残り2回、ベンチ最前列で声を張り上げた。2年ぶりの2桁勝利に、お立ち台で「いろんな要因があると思うけど、自分の覚悟が1番(の要因)だと思います。野球人生をかけて今年臨んだから」。リーグトップに並ぶ10勝も、まだ道半ばだった。

しつこく言われ続けたノルマはまだ先にある。杉内投手チーフコーチ、内海投手コーチから「最低15勝」を掲げられ、迎えたプロ12年目。キャンプからウオーミングアップでは先頭切って走った。「(2桁は)通過点も通過点。キャンプからずっと言われて、できると思ってここまでやってきた。そこは揺るがない」。ローテを託された菅野演じる日曜劇場。1人で貯金8を稼ぎ首位争いの原動力となっている。

今年で35歳を迎える菅野にとって、10歳年上の石川と9度目となる投げ合いは、刺激的だった。44歳にして先発マウンドに立ち、5回まで投げ合った大ベテラン左腕から、今でも声をかけられる。「まだまだやれるよ」。4勝にとどまった昨季「このままじゃ、本当に野球人生終わっちゃう」と思ったとき、これほど励みになる言葉はなかった。

3者凡退を3度、4番村上を2打数無安打に抑え、150キロの直球にフォーク、カット、スライダーを投げ分ける投球術を惜しみなく披露した89球。「まだまだいけるっていう姿を今日見せたかったので、すごい今日は思い出深い1日になりました」。老け込むにはまだ早い。【栗田成芳】

▼菅野がハーラートップに並ぶ10勝目を挙げた。菅野の2桁勝利は22年以来9度目。巨人投手の2桁勝利は堀内の13度が最多で、9度は4位のスタルヒン、槙原、斎藤雅らに並んだ。22年はチーム143試合目の最終戦で10勝目を挙げたが、今季はまだ98試合目。菅野がチーム100試合未満で10勝到達は17年87試合、20年66試合に次いで3度目だ。その17、20年は最多勝を獲得したが、今年はどうか。

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