華々しいリスタートだった。昨オフ投手から外野手に転向した育成の西純矢外野手(24)が、野手として“甲子園デビュー”。6回表から右翼守備に就き、1-1の8回1死三塁の第1打席で中前適時打を放った。転向後の初甲子園で初打席、初安打、初打点。「木浪さんがチャンスメークをしてくださったので、なんとかランナーを返したいと思った」。さらに初V打のおまけ付きだった。
「西純矢」の名前がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。西純も気づいている。「今日だけではなくてキャンプの時からずっとそうですけど、本当に温かい応援をいただいてますし、すごくありがたいなと思いながら毎打席入ってます」。感謝を胸に虎党の期待に応えた。西武ウィンゲンターの内角154キロ直球に詰まらされながらセンター前へ。「打った瞬間は全然いい当たりじゃなかった。落ちろと思って走ってました」。一塁ベース上で筒井コーチから背中をポンポンとたたかれ、代走が送られると白い歯を見せながらナインとハイタッチ。並々ならぬ覚悟で野手転向を決断した男が報われた。
藤川球児監督(45)はファームの教育リーグをフル活用しながらシーズン開幕を逆算する。西純の1軍合流については「向こう(ファーム)で打席に立ちに行っている選手もいますから」と話した上で「理由なく呼ぶことはない」とも説明した。支配下昇格に向けて指揮官の目の前でアピール成功。「今日の結果に満足せず明日からも頑張りたい」。19年ドラフト1位の苦労人が確かな1歩を踏み出した。【只松憲】



