<練習試合:日本ハム5-4ヤクルト>◇22日◇名護

 風に笑って、風に泣いた!?

 日本ハム中田翔内野手(19)がヤクルトとの練習試合で今季対外試合初本塁打を放った。

 先頭打者で打席に入った3回。ヤクルト李恵践の外角134キロシンカーを右にはじき返した打球は、左翼から本塁方向へと吹いていた強風で“スライス”を描きながら右翼ポール際へと着弾した。「コースによって素直にバットを出すことができています。でもあれはいい形で打てていません。風に助けられたホームラン」。本人は控えめに振り返ったが、外角の変化球に逆らわず対応した価値ある1発だった。

 アンラッキーな一打もあった。6回1死三塁の第3打席。内角直球を完ぺきにとらえた当たりは、左翼席場外へと消えそうな軌道で上空へ。しかし、今度は風に押し戻されフェンス手前にポトリと落ちる不運な二塁打。「自分の中で完ぺきな当たり。風に負けてしまった」と苦笑いだ。

 だが、8回にも右中間を破る二塁打を放ち4打数3安打で今キャンプ初の猛打賞も記録。梨田監督も「最初のは風に乗ったけど左に打ったのは完ぺき。(3安打目の)右中間のもそうそう打てる打球じゃない」と褒めた。

 通算28打数11安打で打率3割9分3厘。常時出場している選手の中では“首位打者”をキープしている。「もう結果で行き先が決まる時期。自分もそれに負けないようにと思っています」。好調な打撃と課題の守備。日々成長を続ける中田の頭には、1軍という行き先しか見えていない。【本間翼】

 [2009年2月23日9時31分

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