広島ドラフト6位川口盛外(たけと)投手(24=王子製紙)が、巨人斬りで1軍に生き残る。20日巨人、21日西武と行う練習試合にベンチ入りすることが17日、分かった。左の中継ぎとして開幕1軍入りを目指す川口にとって、両チームは格好の腕試しの相手。準硬式出身の異色左腕が、ビシッと抑えて首脳陣にアピールする。

 どちらが相手でも、川口にとっては夢のようなカードだ。20日巨人、21日西武と連日ある練習試合。しかも、1軍サバイバルのさなかにいる川口にとって、貴重なアピールの場になる。大野ヘッド兼投手コーチは「当初はコントロールがバラついていたが、安定してきた。マウンドで気持ちを前面に出す姿勢も買える」と左の中継ぎ候補として両試合でベンチ入りさせ、対外試合でどんな投球をするのか、テストする意向を明かした。

 川口は「巨人なら、僕は長野さん(ドラフト1位)とは対戦したことがないんで、投げたいですね」と目を輝かせた。社会人の王子製紙時代は、対戦相手として「ホンダ長野」のデータは持っていた。それを生かして、全国区の注目を浴びる男を抑えれば、自分の価値もさらにアップさせられる。

 川口は静岡出身だが、子どものころからテレビで試合を見た西武のファンだった。「工藤さんや清原さん、秋山さんたちをテレビでよく見ていました。大学(早大)からも球場(西武ドーム)が近くて、よく観戦に行きました」とあこがれのチームとの対戦となれば、こちらもモチベーションは最高になる。

 もちろん、両リーグを代表する強豪、簡単に通用するとは思っていない。だが「打たれてもともとですから、思い切って行きますよ。ここからが僕にとっての正念場なので」と言い切った。

 中継ぎ陣の先輩である林や梅津からは「ずっと気を張っていると、特に中継ぎは持たないよ」とアドバイスも受けた。休日のこの日は、宿舎前に設置された酸素カプセルを初体験し「下半身が張っていましたが、疲れが取れた感じです」とオンとオフの切り替えもばっちり。1軍入りへの最初の関門を、見事にクリアしてみせる。【高垣

 誠】

 [2010年2月18日11時35分

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