今キャンプ中に左ひじ変形関節炎を患い、安芸キャンプではリハビリに努めてきた阪神岩田稔投手(26)が21日、開幕ローテ候補から外れた。岩田はこの日、2日続けてキャッチボールやネット投球などを行ったが、キャンプ打ち上げとなった2軍とともに帰阪。今後は鳴尾浜に場所を移し、リハビリを兼ねた練習で1軍復帰を目指す方針が決まった。

 15勝&200イニングを目標に掲げ、開幕投手の有力候補だった左腕の離脱は、チームにとっても大きな痛手だ。左ひじ痛が発覚した17日、首脳陣の基本方針は経過観察しながらも「開幕に間に合わせる」だったが、ここにきって一気にトーンダウン。久保投手コーチは「開幕に間に合わせるというより、シーズンを通して戦える体を作ることが大事。(開幕に)間に合ってくれればいいけど、無理はさせない」と発言。開幕投手はおろか、現時点では開幕ローテも戦力としては計算しない考えだ。

 打倒巨人、覇権奪回を目指す上で、岩田の存在は欠かすことのできないパーツであることに変わりはない。ただ、ここで無理をして、長期離脱することだけは避けなければならない。久保コーチは「8、9月なら注射を打ってでもやってもらうが、時期が時期だからね」と2軍での再調整を選択した理由を説明。真弓監督も「そんなに悪くないと聞いてるが、慌てさせるのもよくない。しっかり治してもらう」と話した。

 昨季はWBC日本代表に参加中、左肩痛を発症し、開幕から大きく出遅れた。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。岩田は「もう1回、しっかりとやるだけです」と言葉を残し、キャンプ地を後にした。

 [2010年2月22日11時47分

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