“脱KEIOボーイ”で泥臭く!
阪神の新人合同自主トレが8日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場でスタートした。和田監督ら首脳陣が見守る前で体を動かしたドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)は、全力でやるスタイルを貫くと宣言。開幕1軍を目指し、スマートさを封印。がむしゃらに前へ突き進む。
一塁ベンチ前で約5分、真剣なまなざしで和田監督の訓示を聞き入った。目標をしっかり持つことの重要性や自分のスタイルの確立など、指揮官の熱すぎる言葉。“大学NO・1スラッガー”伊藤隼は、すでに自分のスタイルをつくりあげていた。周りに左右されることなく、そのスタイルを貫いていく構えだ。
伊藤隼
常に全力でやってきました。慶応ボーイはスマートなイメージがあると思いますけど、泥臭く全力でという姿勢は変えずにやっていきたいです。凡打でも一生懸命走ったり、守備に就くときとか。144試合長いですけど。
伊藤隼は立ち居振る舞いがとってもスマート。頭の回転が速く、主将として約200人の野球部員をまとめ上げた人間力も光る。端正な顔立ちも加わり、世間の人が抱くイメージ通りの慶応ボーイだ。だが、すでにスマートさを封印し、“脱慶応ボーイ”のイメチェンを図っていた。守備に就く際の全力疾走は、鳥谷の姿に重なる。神宮のスターから虎のスターに駆け上がった先輩に習い、泥臭い全力プレーを貫く。
和田監督は伊藤隼に目標の上方修正を求めた。それでも伊藤隼は、開幕1軍という最初の目標を変えなかった。まずは、1つ目のハードルをクリアすることに重点を置いた。
伊藤隼
あくまでも開幕1軍があってのこと。まずは自主トレでしっかり体力をつけて、キャンプで技術練習。オープン戦で結果を出してクリアしてからの段階。細分化してできることからやっていくのが、自分のスタイルなので。
この日は、ルーキーたちをいち早く見ようと多くのファンが詰めかけた。目を光らせる首脳陣、世界一多いとされる報道陣。ドラ1ルーキーには熱い視線が嫌でも注がれるが、周囲のヒートアップにも、冷静さを欠くことはなかった。
伊藤隼
注目されるのはいいこと。どんどん知ってもらいたい。何かを変えるではなく、自分をしっかり持って、伊藤隼太を崩さずやっていきたいです。
ハヤタらしく。“脱慶応ボーイ”で、がむしゃらにプロの世界に食らいついていく。【岡本亜貴子】<隼太と一問一答>
-自主トレ初日
伊藤隼
まとまって動くのは久しぶりだったし、いい気候だったので気持ちよく汗を流しました。キャンプに合わせていかないといけないとはわかっているけど、体をつくっていければ。
-リーダーシップをとっていた
伊藤隼
やっぱり大学卒業のドラフト1位だし、注目されている。引っ張っていきたいという気持ちはあります。慌てずにケガだけは気をつけてやっていきたい。
-合同自主トレ以外の練習
伊藤隼
むしろそっちを大切にしたい。一緒にやるので、そういうところを多くやっていきたい。バットを振ることが一番重要。全体練習の時間外でやっていきたい。
-元日の日記に書いたこと
伊藤隼
ケガなくシーズン1年やること、開幕1軍、もう1つはちょっと忘れました(笑い)。大学の時から毎日書いています。聞いて書くことで覚える。振り返ることもできるし、大切なこと。毎日続けるのは難しいですけど。