阪神能見篤史投手(33)が来季の守護神候補の最上位に挙がっていることが22日、分かった。藤川のメジャー流出が決定的な状況に加え、左腕榎田も先発転向が濃厚。能見を軸に新たな「勝利の方程式」を作り上げるプランが浮上した。

 左腕エースが虎の守護神に転身する可能性が浮上した。2年目を迎える和田阪神は、来季の継投パターンの練り直しを迫られている。現在、渡米している藤川のメジャー挑戦が決定的な状況になり、榎田も先発に転向することが濃厚だ。貧打解消だけでなく、リリーフ陣の再編成も重要な課題だ。球団首脳は言う。「今の戦力を考えれば、能見が最も適任だろう」。現時点で筆頭候補に挙がっていることが分かった。

 実力は証明済みだ。奪三振王のタイトルを獲得するために、今季はラスト3試合でリリーフ登板した。その結果、5イニングで7三振を奪う快投。狙って三振を取れる能力は、クローザーに必要な要素だ。経験も豊富で、勝負どころで動じることはない。藤川の後を引き継ぐには、十分な資質を持っている。

 来季の猛虎ブルペン陣は、がらりと雰囲気が変わる。今オフはリリーフ強化にも力を注ぐ方針。ヤンキース3Aを自由契約になった五十嵐亮太投手(33)の獲得に動いている。さらに第6の外国人として、リリーフ投手を補強する計画もある。左腕筒井も重要な局面を任せるほどに成長した。さらに25日のドラフト会議でも、即戦力の速球派を指名することを検討している。

 03、05年のリーグ制覇ではリリーフ陣の活躍が光った。チーム建て直しには、欠かせないポジションだ。能見が、球児不在の不安を一掃するかもしれない。