ソフトバンク内川聖一外野手(32)が「日米バットマン会談」を実現していたことが17日、分かった。侍ジャパンの一員として日米野球に参加中の内川は14日にマリナーズのロビンソン・カノ内野手(32)と会食。野球談議に花を咲かせたという。7年連続で打率3割を記録しても、向上心は衰えない。年俸約27億円を誇る超一流との交流で刺激を受けた。

 侍バットマンがメジャー屈指の強打者と「極秘会談」していた。日米野球に参加中の内川が自らの人脈を使い、カノと会食をセッティング。14日夜、なんと都内の居酒屋で同僚の松田、ヤクルト山田も同席し、野球談議で盛り上がったという。ちなみにカノはチキンを食べていたという。

 「僕は自分から、いろいろと聞きたいタイプ。こっちから動かないと、向こうも動きませんしね」

 内川は7年連続で打率3割を記録し、球界最高の右打者に位置づけられている。それでも向上心は衰えない。陸上女子短距離の第一人者の福島千里とも合同自主トレした過去もある。積極的な行動で、居酒屋トークを実現させた。

 カノは名門ヤンキースで9年間プレー。昨年オフに10年2億4000万ドル(約276億円)の超大型契約でマリナーズに移った。メジャー有数の二塁手だ。内川が大いに刺激を受けた。

 「ドミニカ共和国、米国、日本の野球の違い。使っているバットの話。チャンスで打席に立つ時の心構え。いろいろ話しましたよ。詳しくは言えませんが…」

 ニヤリとして、詳細は秘密とした。しかし充実の表情が収穫の多さを物語っていた。144試合目でのリーグ制覇に激闘CS、そして日本シリーズ制覇。3年ぶりの日本一を達成し、疲労困憊(こんぱい)のはずだが、日米野球で得た交流の機会を無駄にしなかった。

 カノは第3戦で死球により、右足小指を骨折。日米野球を離脱したが、前日16日にはユニホームを交換。同じ82年生まれの32歳がしっかりと絆を深めた。内川は来季、右打者として日本人では球界初となる200安打に挑戦する決意を固めている。貪欲に学び、さらに高みを目指す。【田口真一郎】