11日に日本と戦うチェコ代表は、宮崎ひなたサンマリンスタジアムで1時間30分の公式練習で汗を流した。

メンバーの大多数が国内クラブチームに所属しており、MLB傘下マイナーでプレーする選手はいない。通算26本塁打のエリック・ソガード内野手(36=元カブス)が唯一のメジャー経験者だが、昨季は未所属。主将で本業は証券トレーダーのペテル・ジーマ内野手(33)は「ずっと寒い冬で屋内の練習だったけど、ここにきて日の当たる中でトレーニングできて状態は上がっているよ」と上機嫌で話した。

緯度が高く寒い東欧のチェコは、98年長野五輪で金メダルに輝くなどアイスホッケーの強国として有名だが、野球の国内リーグは9月に終了し、長い冬のオフに入る。正捕手チェルベンカはセールスマン、投打二刀流のシュナイダーは消防士が本業。練習は大都市のプラハとブルノで10日に1回ほど、毎回2時間程度しか確保できない。ジーマ主将は「秀でた選手はいないけど、チームワークを大事に課題を埋めてきた。そこにソガードが入って、いい化学変化が起きて、チーム力がまずまず上がった」と言う。米国出身だが、1月にチェコの市民権を取得した主砲の加入を喜んだ。

11日の侍ジャパンは、4日に日本選手最速165キロをマークした佐々木の先発が予想される。ジーマ主将は「才能あふれるタレントが集まってるけど、中でも佐々木が楽しみ。初めての東京ドームで、すごくエキサイティング。チェコにとって歴史的な試合になるよ」と対戦を心待ちにする。本業と野球の“二刀流軍団”が、暖かな日本で、一花咲かせる決意だ。【鈴木正章】

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