台湾が逆転に次ぐ逆転で、涙の劇的勝利を飾った。延長10回、タイブレークで韓国を5-4で下した。プレミア12王者が連敗発進からの2連勝。台湾から大挙した4万584人の大観衆に感動を与えた。

今大会の延長10回は、無死二塁のタイブレークで始まる。二塁の代走に、初戦のオーストラリア戦で死球を受け、左手人さし指を骨折した陳傑憲主将(32)が告げられた。左手には保護用の鍋つかみのような手袋を着用。代打蒋少宏の送りバントを捕球した一塁手から三塁に送球されると、タイミングはぎりぎり。ヘッドスライディングで三塁に痛いはずの左手でタッチし、野選でセーフをもぎ取った。次打者のスクイズで、勝ち越しのホームを踏んだ。

「私はけがであまり出られなかった。でも勝ちたかった。チームメートに期待していた。ファンの声援が届き、涙が出た。諦めていなかったが、ファンはもっと諦めていなかった。東京ドームがホームになった」。10回裏、韓国の攻撃をしのぎ切ると、全選手がベンチから飛び出し、マウンド付近で抱き合い、涙を流して喜んだ。

しぶとく食らい付いた。2回に1点を先制も、5回には逆転された。8回に3番フェアチャイルドは、逆方向の右翼へ一時再逆転となる2ラン。「このような素晴らしい試合は人生で味わったことがない。本当にシーソーゲーム。全員が最初から最後まで集中していた。ビハインドになった場面もキャプテンが勇気をくれた」。米国出身の29歳は、陳主将のリーダーシップに感謝した。

WBCで台湾が韓国に勝利したのは初めて。陳は「小さいころからWBCを見ていた。韓国に勝ったことはなかったが、運プラス実力もあって勝てた。若い人に自信を持ってほしい」。歴史を塗り替え、胸を張った。【斎藤直樹】

【WBC】台湾が延長タイブレークの死闘を制す 韓国に5-4 日本は1次R突破決定/詳細