憧れのドラゴンとの対談まで王者で居続ける。10月9日八王子大会で、インターナショナル王者・辰巳リカはマックス・ジ・インペイラーと5度目の防衛戦に臨む。15年の改名をきっかけに、藤波辰爾を意識するようになり「格好いい“女ドラゴン”になりたい」とキャッチフレーズを「ホワイトドラゴン」に。本家のドラゴン殺法をオマージュとして使い、東京女子での地位を確立していった。
実は本家藤波とはすれ違ったことがある程度。試合観戦や動画ではチェックしているものの、話したことがない。以前は藤波中心のユニット「ドラゴンボンバーズ」を勝手に名乗って使っていたこともあった。人づてに認知はされていることは聞いたが、どう思われているかは分からないという。「機会があれば会っていろいろと聞いてみたい」と対談実現を待ち望む。
インター王座「一生防衛」を掲げる辰巳。実は海外志向はそれほどなく「私が王者。東京が世界の中心になって迎え撃ちたい」と意気込んだ。「インターナショナル」だけに海外の選手との対戦も喜んで受け入れる。今回の相手インペイラーは、体重が100キロ近くある怪物。8月末には怪人デモニオ・ドスと対戦し辛くも勝利。大型バスで倒そうとしたが、大型免許がなく動かせずに失敗した。今回はさらに大きな相手。対戦経験も仲間として戦った経験もあり戦い方は熟知している。「真っ向勝負では持ち上がらないと。違う戦い方をしないと」と奇策を考えているという。
改名当時は無名だったが、今では東京女子でシングルとタッグのタイトルすべてを戴冠した唯一のグランドスラム達成者。9月にはデビュー以来初めて地元・長野での凱旋(がいせん)試合に登場。家族や友人の前で初めてプロレスを披露し「念願かなった」と喜んだ。「辰巳リカ」になって8年。キャリアを積んだ「ホワイトドラゴン」は、本家との対面を心待ちにしながら頂点に立ち続ける。【松熊洋介】