秋場所初日、国技館内にある相撲協会公式グッズの売店に親方衆に交じって3人の若い女性が接客していた。聞けば実践女子大の学生だという。

昨年12月25日に相撲協会と同大学が産学連携を結んだ。グッズのアイデアを考えていた社会貢献部の三保ケ関親方(元前頭栃栄)が、産学連携の経験が豊富な同大学に提携を依頼。当時は元横綱日馬富士関による傷害事件発覚などで揺れていたが、同大学の秦英貴学長顧問は「学長も理解があり、学生に経験して良いことならやろう、とおっしゃった」と快諾した。

提携後、社会貢献部の親方衆と学生たちが定期的に意見交換をして新商品の開発に努めた。夏場所では、第1弾となるコンパクトミラーが売店に並んだ。そして今場所からは同大学の生活環境学科の3年生3人が、インターンシップとして売店で接客をしている。

学生にとってはこれ以上ない社会経験になり、親方衆にとっても有益だった。社会貢献部の岩友親方(元前頭木村山)は「女性ならではの視点でのアドバイスはすごく参考になる」と感謝していた。【佐々木隆史】