ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)の初防衛戦が、5日に都内で発表された。3月1日に東京・両国国技館で、同級13位エルネスト・サウロン(28=フィリピン)と対戦する。前WBC世界バンタム級王者で同級1位山中慎介(35=帝拳)とのダブル世界戦となった。

 2人は11年に日本バンタム級王座決定戦で対戦して、10回TKO勝ちの山中が次戦で世界王者になった。岩佐はその後世界初挑戦は失敗し、昨年9月の王座獲得まで6年半かかった。「おかげさまでつらく長かった」と笑ったが「挫折があったからこそ、今ベルトが目の前にある。苦しんだ分守っていきたい」と、鬼門といわれるV1への決意を口にした。

 相手は世界初挑戦で情報が少ないという。「右のファイター。グイグイくる時はくる。結構振って伸びてくる。スキもあるが危険もある。得意ではないが、王者としての勝ち方を見せる」と王座死守を期す。

 昨年11月に元世界王者長谷川氏と食事をする機会があり、2つのアドバイスをもらい、長期防衛への意欲も増した。1つは「岩佐のうまさより、強さを見たい」。もう一つは「要所要所の目標を決めろ」。そこで早くも「V6」を目標に掲げ、「V6戦でビッグマッチをやりたい」と熱望した。6は66代日本バンタム級王者など縁ある分岐点の数字という。

 王座奪取のご褒美にフェラーリをプレゼントされた。ただし運転したのは5回だけ。祖母を乗せるため福島まで行ったのが一番の遠出という。「あれは乗るものでなく眺めるもの」と笑わせた。愛車をぶっ飛ばすのは控えているが、リングでは相手をぶっ飛ばしてみせるつもりだ。