ボクシング前WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(25=大橋)が3階級制覇を“勲章”に、最強8選手による賞金争奪トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に参戦する意思を表明した。25日にWBA世界バンタム級正規王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)への挑戦を控え、16日に横浜市の所属ジムで練習を公開。WBSS主催者から参戦オファーが届いており「出ないわけにはいかない。(25日に)勝てば出ます」と明言した。

 バンタム級のWBSS開催は今月9日、英ロンドンで発表されたばかり。既にWBAスーパー王者バーネット(英国)、WBO王者テテ(南アフリカ)、IBF王者ロドリゲス(プエルトリコ)の参戦が決定。後日の決定戦で決まるWBC王者も参戦する可能性が高い。団体統一戦が実現するため「他の日本人世界王者とは違うステージに行きたい思いはある。あとは結果次第。25日に集中しています」と油断はない。

 夢の4団体統一王者へ、まずマクドネル撃破が大前提。「3階級制覇の区切りの一戦になるのでスカッとするKOで決めたい。歴史に名を刻むような試合がしたい」と意欲満々だった。【藤中栄二】

 ◆WBSS 昨秋からスーパーミドル級とクルーザー級で初開催されている最強選手を決める賞金争奪トーナメント。リチャード・シェイファー氏、カレ・ザワーランド氏という米独の両プロモーターが企画し、2階級とも8選手が出場。現在は決勝進出選手が決定した段階。今回はファイトマネーが高額な中・重量級のため、賞金総額5000万ドル(約55億円)、優勝賞金1000万ドル(約11億円)だった。