ジュニアヘビー級(100キロ未満)による最強決定戦「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の優勝決定戦で、高橋ヒロム(28)が、初対決となった石森太二(35)を34分1秒、必殺技タイムボムからの体固めで下して初優勝を飾った。

 ノアGHC同級の最多防衛記録保持者(10回)と序盤は場外戦。陸上部で鍛えた50メートル5秒台の快足で通路20メートルを全力疾走してのドロップキックで大打撃を与えた。必殺技D(変形三角絞め)を体ごと持ち上げられて返される苦境も、最後は肩に担いだ相手をひねってたたきつけて仕留めた。

 「5年前の今日、ここで語ったことを覚えている」。試合後に切り出した。「俺の夢はIWGPジュニアのベルトを巻き、ジュニアとしてヘビーのベルトを巻き、ゴールデンタイムで試合をすることだ!」。ジュニアで居続ける誇り。調印式での自作ポエム、一人芝居披露など異彩を放ちまくる「ヒロムワールド」は、愛するジュニア戦線への注目度の肥やしだ。

 「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」のリーダー内藤にトロフィーを壊される不運に見舞われたが、この優勝を足がかりに去年失ったジュニアのベルトを奪還する。9日の大阪大会での王者オスプレイへの挑戦を表明。「もっとみんなで楽しもうぜ!」と締めくくった。【阿部健吾】