「商社マンボクサー」として知られたプロボクシングの元WBC世界ライトフライ級王者木村悠氏(35)が28日、千葉・木更津市立太田中学校で「二刀流で夢をかなえる」をテーマに講演を行った。

会社勤めをしながらプロボクサーとして厳しい練習や試合を重ね、世界の頂点に立つまでの歩みや気持ちの変化を、現役時代の映像を交えて約1時間にわたって語った。

講演の冒頭では自らミットをはめ、ボクシングをしている生徒にグローブを渡してパンチを打たせる「ミット打ち」を実践。15年に勝ち取ったWBC世界王者のベルトも見せ、体育館に集まった全校生徒約540人から大きな拍手を浴びた。

今回の講演は、困難に遭遇したときの気持ちや友人への関わり方を知ることで、たくましく生きる力をつけることなどを目的としたもの。木村氏はプロで初めて試合に敗れたあと、所属ジムから「ボクシングを辞めた方がいい」と通告されショックを受けたが、姉から「もう1回みんなのために頑張ってみれば」と励まされ、周囲への感謝を思い出して再起したエピソードなどを披露。最後は生徒たちに「困ったときは家族や知り合いにSOSを出して、それが難しければ専門の窓口に言うようにしてください」と呼びかけた。