40歳4カ月の同級9位・堀川謙一(三迫)が、18歳下の冨川大樹(22=ミツキ)を10回TKOで下し、戴冠した。JBCによると、昨年2月に東洋太平洋ミドル級王座を獲得した野中悠樹(井岡弘樹)の41歳2カ月が最年長記録とされている。

無観客試合も「気にならなかった」。これが58戦目。重ねてきたキャリアの違いで相手を圧倒した。3回にジャブを食らい、鼻血が噴き出した。「まともに食らった。折れたかと思った」という試合後の鼻は変形していた。そんなダメージにも屈せず、攻め続けて10回1分47秒、仕留めきった。

日本ライトフライ級王座を2度獲得した実力者。「やめたいっちゃ、やめたいですよ。しんどいし」。しかし、本能的に戦いの場から逃れられない。年齢の影響は「35歳から変わっていない。もっといえば30歳過ぎてから同じ。(年齢に)あらがってますから」。日々の節制とトレーニング。筋骨隆々の体は、確かに年齢を感じさせない。

チャンスを作った三迫会長は「私自身、こんなに感動したのは初めて」と興奮した。堀川は無観客のかわりに、中継されたユーチューブを意識した。「ボクシングに新しく興味を持ってくれる人が出れば。それだけに倒せてよかった」。鼻を血で赤く染めた40歳は、充実の表情を浮かべた。【実藤健一】