女性ボーカルグループ「SPEED」の元メンバー、自民党の今井絵理子参院議員(37)の長男礼夢(らいむ=16)がプロレスラーデビューを果たした。ヒートアップ代表で、入門当時から指導を受けた「TAMURA」こと田村和宏(40)と対戦し、逆エビ固めで敗れたが、後半には得意のブレーンバスターやバックエルボーを決めるなど、見せ場を作った。

母絵里子氏が会場の片隅で見守る中、普段は見せない鬼の形相でリングに登場。2つのベルトを持って上がってきた田村をにらみ付けた。プロの厳しさを教えるため、容赦をしない田村に終始苦しい表情の礼夢。会場からは、手話で「頑張れ」という意味の両手をガッツポーズする動きで、声援を受け、劣勢を何度もはね返した。

試合後、リング上で田村から「デビューおめでとう。厳しい練習に耐え、よく頑張った」と声を掛けられた礼夢は、母の通訳を介して「今日の試合、ありがとうございました。ヒートアップに入会した後に、いつもたくさん練習を教えてくれて楽しかったです。プロの練習や技も一緒に教えてくださって感謝しています。ありがとうございます」と伝えた。

田村は礼夢に書いた手紙の中で「礼夢のおかげでチケットは完売。プロレスはたくさんの人に夢を与えるスポーツ。もっと試合を見てもらいたいと来年の会場をおさえました」と話し、21年9月に川崎市のとどろきアリーナでの試合も決定した。

応援しようと、障がいを持った人も多く集まった。多くの人の応援を受け、リングに立った礼夢。これからはプロレスラーとして、支えてくれた人たちと大好きな母に恩返しする。【松熊洋介】