飯伏幸太(39)がついにキレた。ジェフ・コブ(38)との最後の前哨戦に敗れた後、リング上でコブに襲いかかり、殴り合いを始めた。その後セコンドに押さえられ、いったんは引き下がったが、挑発し続けるコブに再度怒りが爆発。場外での殴り合いに発展し、会場は騒然となった。

マスター・ワトと組んでタッグマッチに出場した飯伏だったが、開始直後から雲行きが怪しかった。対角線のコブをにらみつけ、試合権利もないのに仕掛けていった。コブも、ワトと相対している時に、関係ない飯伏をにらみつけながら技をかけるなどして挑発。試合中に募った飯伏の怒りが、試合後、ついに頂点に達した。

発端は4月4日の両国大会。オスプレイに敗れ、ベルトを奪われた飯伏は、意識のない中、コブにツアー・オブ・ジ・アイランドを食らい、遺恨が勃発。同29日に一騎打ちを要求した。レスリングで五輪出場経験もあるコブに対し、初めは敬意を示していた。「自分にはない、アスリートの能力を持っている。僕との試合を組んで欲しい」。先月22日には「脅威を感じる。もう1回、1からやらないと」と反省をしていたほどだったが「自分に足りないもの」が見えてきたことで、徐々に怒りに変わってきたようだ。

これまで前哨戦後のリング上では「すべてはタイトルマッチの時だ」と言わんばかりに、うなずき合うことが多かった。力の差を見せつけられ、必殺技のカミゴェを「コブゴェ」として決められるなど屈辱を味わったことで、本番を前に挑発に乗ってしまった。7日の対決では、冷静さを取り戻し、リング上での力勝負に徹する。