フライ級8回戦で日本ライトフライ級1位の芝力人(25=真正)が、大逆転のTKO勝ちを飾った。

ベテラン36歳の渡辺秀行(DANGAN郡山)と対戦。試合10日前に練習で左肋(ろく)軟骨を骨折したという芝は、序盤から大苦戦。6回を終わって採点はジャッジ1人が54-60のフルマーク、残る2人も55-59、56-58と圧倒的に渡辺を支持していた。

迎えた7回1分17秒。「判定までいったらやばい」という芝の起死回生、大きなスイングの左フックが渡辺をとらえ、もんどりうつダウンを奪う。立ち上がったがレフェリーストップで勝利を手にした。

近大ボクシング部の主将を務め、プロデビュー時はRK蒲田に所属した。「いろいろありまして。でもRK蒲田には感謝しています」と今年4月に移籍してきた。試合も19年12月に日本ライトフライ級王座挑戦者決定戦で矢吹正道(緑)に敗れて以来、約1年半ぶり。一時期はボクシングを離れたが「自分は世界王者にならないといけない」と新天地を求めた。

「ダメダメでしたね」という移籍初戦だが、劣勢をはね返した試合は逆にポテンシャルを示した。山下正人会長は今後について、「まず日本タイトル。それ一本」と明言。今秋をめどに現王者の矢吹陣営と対戦に向けて交渉を行う。