プロレスがボクシングに勝利した。ヨシタツ(43)が、ボクシング元東洋太平洋クルーザー級王者の西島洋介(48)との異種格闘技戦を制した。

序盤からスタンディングでの戦い。ヨシタツは素手で構え、蹴りやパンチを浴びせたが、元王者相手には全く通用しなかった。ならばとボディにタックルに行き、寝技に持ち込もうとするが、ロープに逃げられ、プロレスのルールをうまく利用された。

その後は強烈なボディで2度のダウンを奪われ、もん絶。豪快な投げや蹴りなど、プロレス技はほとんど出せず、もはやこれまでかと思われたが、最後に奇襲を仕掛けた。背後から飛びつき、首に絡みついた。一瞬のチョークでレフェリーストップ。西島は「タップはしていない」と訴えたが、結果は変わらず、ヨシタツの見事な逆転勝利となった。

「青春の忘れ物を取りに行けた」。高校時代、当時チャンピオンだった西島のもとへスパーリングのお願いに行った。ジムの会長に追い払われ、リングに上がることすらできず、グローブに当てるか当てないかくらいのマススパーリングのみに終わった。

西島とは2度目の対決だった。初対戦は19年12月。ようやく同じリングに立つことができたが、ドローだった。今回ようやく勝利をつかみ「対戦を受けてくれた西島さんにも感謝。これで新しい1歩を踏み出せる」と前を向いた。