左大胸筋断裂で2月から欠場していた高橋ヒロム(31)が、復帰戦で勝利した。

DOUKIとのシングルマッチに出場し、制限時間(30分)残り17秒で、得意技のTIME BOMB2で3カウントを奪った。「久しぶりだな。半年も試合しないと、この快感忘れちゃうんだな」と勝利をかみしめた。

ファンからの応援メッセージが書かれた横断幕を背に、悠々とリングに上がった。引き締まった肉体を見せた瞬間に、奇襲攻撃を仕掛けられたが、冷静に対応。エプロンからのミサイルキック、コーナーからのカサドーラボムなど、危険な技に次々と挑み、ブランクを感じさせない軽快な動きを見せた。

「ここに来る前は『復帰戦嫌だな』と思っていたけど、プロレスの後ってこんなに気持ちいいんだと感じた」

心地いい体の疲れと余韻に浸りながらゆっくりとファンに向けて語った。

今後はケガで返上していたIWGPジュニアヘビー級のベルト奪取へ、9月5日埼玉大会(メットライフドーム)で王者ロビー・イーグルスに挑戦する。18年7月の首のケガに続いて2度も返上したベルトだけに思いは強い。

「クビも覚悟したけど『ケガしたくらいでメソメソしているレスラーなんて面白くない』と自分に言い聞かせている」とスーパーポジティブな高橋らしく、前説や解説などに積極的に登場し、明るく振る舞い続けた。

「俺は諦めない。ファンのみんな、めちゃくちゃ心配かけるけど、必ず夢を叶える男だ」

高橋はメットライフドームでの有言実行を誓い、手拍子に包まれながら会場を後にした。