デビュー戦を勝利で飾った三浦孝太(19=BRAVE)が、リングで歓喜のカズダンスの締めのようなポーズを腕でとり、喜びを表現した。

第1試合に起用され、注目のデビュー戦で、元ホスト、地下格闘技8戦7勝のYUSHI(33=フリー)を下した。

サッカー界のレジェンドである父は、ゴールを決めると代名詞の「カズダンス」を踊る。ここ最近はゴールから遠ざかっているが、本場ブラジル仕込みの小刻みなステップと、独特の腕の使い方、さらにセクシーな締めのポーズまで、唯一無二のものとなっている。

心の広いカズは、後輩たちに広く使用を公認するなど、サッカー界を盛り上げるこのダンスへの思い入れは強い。

ただ、本家の踊りはカズの、カズによる、カズだけのもの。今後の孝太の活躍次第で、一子相伝の特別パフォーマンスになる? かもしれない…。

 

◆カズダンス ゴール後に、両手をグルグルと回しながら細かいステップを踏む。最後は股間あたりに左手を添え、右手は人さし指を突き上げるのが基本形だ。始めたのはブラジル・サントスと初のプロ契約を結んだ86年、19歳のころだった。カズは「ブラジルにいる時に(当時ブラジル代表の)カレカが、セリエAナポリでマラドーナと活躍していた。当時はイタリアが世界最高峰リーグで外国人枠も狭くてトップのトップしか行けなかった憧れの舞台。カレカが(得点時に)サンバのような動きをやっていて、やりたいと思った」と明かしている。日本で初披露したのは89年、テレビ朝日系の番組「ビートたけしのスポーツ大将」だった。公式戦では読売(現東京V)時代の92年4月、ゼロックス・チャンピオンズ杯決勝。親交があるタレント田原俊彦の意見も参考に改良したとの説もある。「完成したら(サンバとは)全然違っていましたね」。93年のJ開幕後はサッカー少年らがまねて日本中に広まった。選手にとっては憧れの儀式。11年3月29日の東日本大震災の復興支援チャリティーマッチでは喪章をつけてステップを踏んで被災地にエールを届けたこともある。