ボクシングの21年度年間表彰選手が29日に発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が4年連続5度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。

通算5度目MVP受賞は白井義男、具志堅用高と並ぶ最多タイ記録。4年連続MVPは白井(5年連続)、具志堅(5年連続)、渡辺二郎(4年連続)に続いて4人目となる。またKO賞も2年連続5度目の受賞で2冠に輝いた。

22年はバンタム級での4団体統一、さらに1階級上のスーパーバンタム級への進出が期待されている井上は、着実の準備を整えている。昨年11月から世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナー(38)のコンディショニング指導を受けていることを明かした。「新しく八重樫さんに見てもらっています。ディパエン戦の1カ月前から八重樫さんと新しくコンビを組みました。バンタム級でも、まだまだまだ筋力はつけることはできますし、これから先、(階級を)上げていく段階を踏まえて、自分からお願いしました」と解説した。

2カ月前の八重樫トレ初日は想像以上の過酷なメニューとなり、予定されていたスパーリングを中止したという。「八重樫さん、にこにこしてめちゃくちゃトレーニングをするのですよ」と苦笑しながらも「まだ伸びしろがあると思います」との手応えを口にした。週2回、指導する八重樫トレーナーも「井上は日本の宝なので本当はやりたくないのですが」と前置きした上で今年で4月に29歳を迎える井上に向けて「故障しない体づくりを」とテーマを掲げた。

井上は「もう29かという声がありますが、自分の中ではまだ29なので。そういったメンタルコントロールをしようと思う。やっぱり、まだ29かと思ってやった方がまだまだ伸びると思うので。まだまだ体力面もまだまだ伸びしろ感じていますし。今年1年、八重樫さんと組んでさらに自分のレベルアップを感じたい。自分自身に期待したいと思っています」と世界3階級制覇王者コンビによる強化を歓迎していた。