まさかの最後通告だった。

ユニット「COSMIC ANGELS(コズエン)」の月山和香が、敗戦後にリーダーの中野たむから「あなたにしてあげられること、もうないみたい。あと3カ月でダメならコズエンから出て行ってもらう」と突きつけられた。

まさかの通達に「本当に悔しいし、傷ついた」と胸の内を明かした。プロレス界では、仲間を裏切り、ユニットを脱退することはよくあるが、最後通告をするのは珍しい。大学卒業後、OL経験もある月山は「退学も会社をクビになったこともない。こんなこと言われたのは初めて」と声を絞り出した。

月山は昨年9月のスターダム移籍後、タッグでもシングルでも未勝利。横で見てきた中野は「プロレスはうまくなったけど、何度も勝たせようとしたけどダメだった。上に行けないのはコズエンにいるからかもしれない」と決断に至った理由を語った。この日も先陣を切って登場した月山だったが、中盤以降は終始劣勢になり、そのまま3カウントを奪われてしまった。

「帰ったら泣くと思う」。背中を見て追いかけてきた中野からのまさかの一言は、あまりにも辛いクリスマスプレゼントだった。それでもまだ脱退が決まったわけではない。「愛のある言葉」と受け止め、前を向いた月山。猶予は3カ月。来年の目標はもちろん、コズエンでの「初勝利」だ。【松熊洋介】