11度目の大みそか興行に臨むプロボクシング世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33=志成)が、不退転の決意をにじませた。

31日、東京・大田区総合体育館でWBA世界同級王者のジョシュア・フランコ(27=米国)との2団体王座統一戦に向け、27日には東京・目黒区の所属ジムで公開練習した。

日本人初の2階級での2団体王座統一を狙う井岡にとって急成長中のWBA王者フランコとの「王者対決」は大きなリスクが伴う。負けるかもしれないという不安を打ち消すため、名伯楽イスマエル・サラストレーナー、佐々木修平トレーナーと立てたハードなメニューに取り組んできたという。井岡は「日々戦い。質を上げるのはハードなこと。自分に負けたら質は下がるので。信じることを日々やることでリングに臨めると思う」と心境を解説。最後に「負けたら終わり? はい、そういう覚悟です」と言い切った。

約3年ぶりに臨んだ米合宿では、毎朝、ラスベガスのレトロックキャニオンで山道を走り込んできた。井岡は「スタミナ、下半身強化につながるのが分かる。心臓が破れるのではないかと思う坂なので朝から憂鬱(ゆううつ)な気持ちでいました」と苦笑い。サラストレーナーは「ハードな練習だった。これが試合中の技術のサポートにつながる」と体力、技術力、精神力の向上につながっていると強調していた。