ボクシングLUSH緑ジムの「あしたのジョー」兄弟が28日、名古屋市内でともに世界前哨戦を制した報告会見に臨んだ。

左アキレス腱(けん)断裂で実戦から遠のいていた元WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(31)は、3月16日に元世界ランカーを相手に413日ぶりの復帰戦を4回TKOで飾った。弟の力石政法(29)は日本時間23日にローマでWBCスーパーフェザー級シルバー王者(日本未公認)マイケル・マグネッシ(イタリア)を最終12回の大逆転KOで倒した。

矢吹は「自分の試合も弟の勝利ですべて忘れてしまったが、今後につながった。ライトフライ級で年内に世界戦ができればやりますし、厳しければフライ級に上げたい」。力石は「結果としては逆転勝ちで締めくくれたが内容は悪かった。映像も見たくない。(最終)12回は何回も見ましたけど」と言い、「この階級で世界は最も厳しいと思っている。今のままじゃ世界王者にはなれない。(世界挑戦の)チャンスは1回しかないと思う。その1回をものにするためにキャリアを積みたい」と話した。

矢吹についてはジムの松尾会長が「今年中に世界戦を持ってきたい」。力石に関しては、プロモートする亀田興毅氏(37)が「(力石は)海外での評価が高まっている。オファーも入りやすくなり、選択肢は増える。これからおもしろくなってくると思う」と展望を明かした。