史上最多タイとなる58度目の対戦となった一番は大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)が大関稀勢の里(29=田子ノ浦)を寄り切り、無傷の8連勝を果たした。

 立ち合いで押し込んだ後、1度は強烈なおっつけに体を持って行かれたが、そこで踏みとどまる。上体を起こさず、左を差した勢いのまま、がぶった。競い合ってきた長年のライバルを寄り切って「やりきった。それだけ。(力が)もう残っていない。角度が良かった。しっかり膝も曲がって、立ち合いもぐらつかず。意識していることが、すべて当てはまった」と会心の相撲だった。

 「準備」という言葉をよく使う。朝稽古では「やるべき準備は昨日のうちにして、今日はおさらいだけ」と話していた。

 迷いのない立ち合いと、その後の流れ。うまくかみあって、14年名古屋場所以来となるストレートでの勝ち越しを果たした。「明日もしっかり対策して1日1番、悔いのないようにしたい。どこに落とし穴があるか分からないから。明日からだね」と、再び気を引き締めた。