大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に、人気漫画「北斗の拳」の3兄弟を描いた三つぞろいの化粧まわしが贈られることが24日、分かった。アニメで放送された漫画のキャラクターが横綱の化粧まわしに用いられるのは史上初めて。稀勢の里は、孤高の男の長兄ラオウで、太刀持ちに主人公ケンシロウ、露払いには次兄トキが描かれた。5月6日に都内で開かれる横綱昇進祝賀会で披露される。

 他を圧する鋭い眼光。覇者としてのオーラが宿り、かざした右手には何者をもひれ伏す力がある。そんな姿は、この横綱にこそふさわしい。稀勢の里に、暴力が支配する世紀末を舞台にした人気漫画「北斗の拳」の三つぞろいの化粧まわしが贈られることになった。中でも横綱が締めるのは主人公ケンシロウではない。「世に覇者はひとり」と孤高の姿を貫いた長兄ラオウを、自ら好んで選んだ。

 きっかけは2年ほど前だった。大関昇進時に有志でできた「後援会」。週刊少年ジャンプの編集長として最大発行部数653万部を達成し、現在は漫画の編集などを手がけるコアミックス(本社・東京)の堀江信彦社長(61)も会員だった。綱とりに苦しんでいた当時、堀江社長は「横綱になったら化粧まわしを贈る」と約束した。すると稀勢の里の目が輝いた。「北斗の拳がいいです。ラオウでお願いします」。