左足首などの負傷で大相撲名古屋場所を途中休場し、夏巡業も休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、10日に地元の茨城県日立市で行われる巡業から復帰する予定でいることが7日、分かった。関係者が明かした。東日本大震災からの復興を祈願して、14日に岩手県釜石市で行われる「復興土俵入り」にも、横綱白鵬とともに参加するという。稀勢の里の巡業参加は横綱昇進後、初めてとなる。

 師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は巡業先の埼玉県本庄市で「今日帰って、様子を見ながら話をする」と言及は避けたが「関取衆と肌を合わせるのも大事だし、見ることも大事。見取り稽古というのもある」と前向きな考えを示した。

 稀勢の里は3月の春場所で左上腕付近を負傷し、夏場所は途中休場。さらに名古屋で左足首も痛めて6日目から休場した。横綱審議委員会には万全の状態での復帰を求められ、そうでなければ9月の秋場所の休場も容認されたほどだった。

 現在は東京都江戸川区の部屋で基本運動などで汗を流しており、非公開での稽古再開時には「まだまだです。(巡業参加は)しっかり稽古をしてから」と話していた。親方は「足の方は大丈夫。今はもう治療の段階ではない。体をつくり直すことが必要。筋力を戻さないといけない」として巡業での体づくりを選んだ。