日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、新入幕から3場所連続2桁勝利中の阿武咲(21=阿武松)が新小結に昇進した。福岡市の宿舎で会見を行った阿武咲は「小さい頃から相撲をやっていて三役は1つの目標であり憧れだった。あまり実感はないです」と緊張した面持ちで話した。

 15年初場所で新十両昇進後、16年夏場所で幕下に陥落した。腐りそうになった時に助けてくれたのは、師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)だった。「幕下に落ちた時に師匠から『ここから頑張ればいい』と言われた。それで吹っ切れて伸び伸びと相撲が取れるようになった。その言葉で変わった。本当に師匠をはじめ、ご指導してくださった方のおかげです」と感謝した。

 押し相撲でここまで駆け上がってきた弟子を阿武松親方は「押し相撲は波がある。まぐれでは出来ないので自信を持っていいと思う」と評価した。それでも阿武咲はおごることなく「一番一番魂の入った相撲を取りたいです」と意気込んだ。