大相撲の小結琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)が、一瞬ひやりとする場面に遭遇した。

 6日、福岡・春日市の尾車部屋で行われた、九州場所(12日初日、福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古に参加。関取衆の申し合いの最中、幕内輝を押し出した際、左手小指を脱臼。勝ち残りすることができずに険しい表情で土俵外へ。親方衆も心配そうに見つめる中、若い衆から「はまりました」との声が上がり、一同は一安心。その後も左手の中指、薬指、小指の3本をテーピングでひとまとめにして巻き、稽古を続けた。

 稽古後は「脱臼して、反り返っていた。でも、せっかくテーピングをしたので、もっと取りたかったな」と、指の状態を説明しつつ、冗談っぽく笑顔も見せて大事に至っていないことを強調した。

 仕上がりについては「動ける体にはなっている。ただ、もう少し芯のようなものをつくらないと。今の自分の相撲は、みんなができる相撲。もっと自分にしかできない相撲を取るためにどうしていくか」と、現状に一定の手応えを感じつつも、満足はしていなかった。