暴力問題で動向が注目されていた大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、現役を引退した。日本相撲協会に引退届を提出、受理された。
日馬富士の引退は、今後傷害容疑で書類送検する方針の鳥取県警や、起訴などの処分を決める検察の判断にも影響を及ぼすとみられる。甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「責任を取ったことはインパクトがある」と指摘。県警関係者は「捜査は粛々と続ける」と話すが、検察の判断では、引退という形で社会的制裁を受けたことが考慮される可能性がある。
一方、傷害事件では被害者との示談が成立した場合は不起訴となるケースが多いが、貴ノ岩との間では話し合いや示談ができていない。渡辺教授は「社会的制裁を受けたとしても、被害者に強い処罰感情があれば検察は軽視できない」とした。日馬富士は会見で「弟弟子の礼儀がなっていないときに教えることが先輩の義務」と説明。こうした認識が、どう評価されるかは不透明だが、渡辺教授は「最近の社会では許容されない体罰のような印象がある。悪質性が高いと判断されることもある」とした。

