大相撲初場所を前に現役引退した元前頭北太樹(35=山響)の小野川親方が15日、東京・両国国技館で引退会見を行った。「一番一番、真剣に全力で取り組めた。悔いなく相撲が取れた」とすがすがしい表情を浮かべた。

 近年は股関節のけがに苦しみ「体力の限界を感じた」と引退を決断。同席した山響親方(元前頭巌雄)は「痛い、と言ったら番付が落ちる世界。去年の名古屋場所では『やらないと落ちる』と言ったら、次の日からバンバンやっていた。大丈夫かと聞いたら『座薬入れてやってます』と。心苦しかった」と、弟子の頑張る姿に複雑な思いがあったことを明かした。

 小野川親方は「日頃の稽古の積み重ねなど、大切なことをいろいろと教えてもらった。先代の北の湖親方(元横綱)からも大事なことを教わった。若い力士に伝えていきたい」と親方人生の目標を語った。