個人戦で東洋大の白石雅仁(4年=専大松戸)が初優勝した。決勝で同じ東洋大の城山聖羅(3年=金沢市工)を逆転の突き落としで破った。

 逆転での勝利に「余裕はなかったです」。個人戦は7試合目で、その前には団体戦もこなしたとあり「疲れていて(後輩との決勝という)意識もなかったです」と話した。大学でのタイトルは3個目。現役力士では御嶽海、若隆景の関取衆を輩出している東洋大だが、卒業後の進路については「未定です。(プロ入りの意識は)多少は」と控えめに話した。

 敗れた城山は、2年後のプロ入りが有力視される逸材。敗れはしたが「先生から『お互いのいいところが出た、いい相撲だった』と言われた通り、内容ある相撲だったと思います」と振り返った。敗れたが同じ大学の先輩。「密着した向正面で決めたかったけど、その後に距離が空いてしまった。あの人の得意な間合いで、あの人のゾーン。密着していたままだったら9割5分(自分が)勝っていた」と独特の表現で敗れた一番を振り返っていた。

 なお、団体戦も東洋大が2年連続2度目の優勝。決勝で、9年ぶり13度目の優勝を目指した拓大を4-1で破った。